元りぼんっ子だった日本語教師が授業で使える&多読にオススメ さくらももこさんのご著書
Nihongo friends のみなさん、こんにちは。
MIKIです。
さくらももこさんの訃報が流れました。
ショック!
歌丸さん、西城さん、ももこさん。
楽しくて、温かい昭和が思い出になっていく。
ご冥福をお祈りいたします。さくらももこさん死去 53歳 #SmartNews https://t.co/pgQ89kdKrf
— MIKI sensei @にほんごサプリ (@okmymiki) August 27, 2018
ゆるやかで、あたたかく、ふわりとした文章、アニメが大好きでした。
小学生時代はりぼんっ子だった私は、アニメになり毎週欠かさず見、次の日の月曜日ではクラスメイトとまるちゃんの話をしながら、学校へ行っていました。
そんな私の成長と共にあった大切な「ちびまる子ちゃん」の作者のさくらももこさんの訃報はとても悲しく、喪失感がハンパないです。
そして、日本語教師になってからも実は、大好きなさくらさんの著書を授業で扱っていました。
そこで、今日は追悼の意も込めまして、日本語の授業に使えるさくらももこさんのご著書をご紹介します。
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それでは、早速いってみよう!
授業に使える著書
もものかんづめ
短編のエッセイがつまった一冊です。
「ちびまる子ちゃん」は幼いももこさんをそのまま描いていると思っていましたが、そうではなかったのです。
この本を読んで「そうだったのか!!」と思いました。
この本を読んだ後、アニメの友蔵じいさんの見る目が少し変わりました。
日本語学習者はJLPT N2合格ライン以上向けとなるでしょう。
さくらさんの独特な表現がたまに出て来ます。
多読にもオススメです。
ちびまる子ちゃん
こちらは漫画の「ちびまる子ちゃん」です。
少年漫画などと比べると、字数が多いですが、ほのぼのとした絵を楽しみながら、読めます。
ただ、コマの中にぎっしり字が並んでいるので、授業で使うときは拡大コピーをする必要があります。
当時の日本が細かく書かれているので、日本語学習者にはとても人気があります。
「駄菓子」「公衆電話」「ランドセル」といった実物を見せるのは難しいものだったり、日本の学校の風景(通学路、校庭、教室内など)は学習者には新鮮に映ります。
日本語学習者のレベルとしてはほぼ全てのレベルで使えます。
日本語が読めなくても、前述したように絵を見て、日本の様子を説明していくだけでも楽しい授業になります。
多読にオススメ
齋藤孝のイッキによめる!名作選 小学1年生
さまざまな作家さんたちの短い作品が入っています。
この本の一番最初にさくらももこさんの「アメリカザリガニ」という作品が出てきます。
書き下ろしではなくて、こちらの本に掲載されている作品です。
JLPT N2レベルの学習者にはちょうどいい教材になります。
授業で「イッキによめる!」を扱っていました。
その場で読んで教師のQAに答える活動で使っていましたが、授業のウォーミングアップにちょうど良かったです。
そういうふうにできている
こちらもエッセイです。
ももこさんの妊娠から出産までのお話が綴られています。
妊婦さんだけでなく、若い方や男性も楽しめる軽快な語り口になっています。
余談ですが、さくらももこさんは息子さんが小学校1年生までご自身が「さくらももこ」だということを隠していたそうです。
その理由が、「面白いから」。
それでも、息子さんが「なぜ隠していたの?」という質問に「面白いから」と言えず「お母さんがさくらももこ=ちびまる子ちゃんだと、嫌な思いをすると思ったから」と「適当に」答えたそうです。
すると、「おかあさん、ありがとう」と納得されたとか。それをももこさんは「男の子って、素直だな」と感じたそうです。
わかる、わかる。男の子は素直でおもしろい。
これも気になる
えぇ??
ちびしかくちゃん?
さくらももこさん、ご自身で「ちびまる子ちゃん」のパロディコミックを作ったものです。
こちらはまだ読んだことがないのですが、この表紙のしかくちゃんの顔、そそられます。
落ち込んだ気持ちを顔に傍線で表すという大胆な描写に当時、りぼんっ子だった私はとても衝撃的な表現方法でした。
今では気持ちを表す、わかりやすい表現ですよね。
最後に。でも、これからもよろしくね。
りぼんを愛読し、ちびまる子ちゃんと共に日曜の夜を過ごしていた私のおすすめ、ももこ本はいかがでしたか。
まだまだ楽しい作品はありますが、日本語の授業で扱ったことがないので、今日はここまでです。
もうさくらももこさんの作品を目にすることができないと思うと、喪失感でどうにかなりそうですが、遺されたステキな作品を楽しみたいと思います。