「窓を開けている」「窓が開けてある」の違いは何?

みなさん、こんにちは。

 

先日、JICA同期の友人から日本語教師を目指しているお友達の勉強を見てほしいとの連絡が来ました。

 

日本語教師養成の現場からは、離れて久しく少し心配したのですが、私も一緒に勉強し直してみたいと思いましたので、早速連絡を取り合いました。

3人でLINEで合流。

紹介し合う3人。

場所は九州、関西、そして長野という3人とも違う場での会話でした。

ワクワク、ドキドキの連続です。

オンライン、リモートワーキングの可能性をひしひしと感じた瞬間でした。

 

さて、今朝、そんな日本語教師を目指す現役看護学校の先生からご質問をいただきました。

 

「窓を開けている」と「窓が開けてある」の違いを説明しなさいというテーマでつまづいてます・・・。

自動詞と他動詞ということでしょうか。

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今朝は少しヒントを出して、考えてもらいました。

現役の看護学校の先生なので、ご自分のお仕事の合間に考えるのはきついかったかもしれません。

 

そこで、早々にこちらに参考となるか、私の見解を載せておきたいと思います。

また、みなさんとシェアすることで、他の方のご意見もお聞きできたらと思います。

 

 

 

 

こうした違いを問われることって、実際の現場ではよくあることです。

まずは違いを問われた文の状況を考え、自分だったらどういう風に使い分けているかを考えてみるといいと思います。

使い分けができる、わかるというのは母語話者の強みです。

考える癖をつけておくと、教える際のコツがわかるようになってきます。

他の問題についても同じように対処し、説明できるようになります。

 

さて、自動詞、他動詞の問題から。

この「開けて」は他動詞となります。辞書形は「開ける」

自動詞は「開く」。

(「自動詞+ている」の説明、違いはここでは割愛しまーす😁)

 

ということは、2つの文は

・他動詞+ている

・他動詞+てある

の形をとっていることがわかります。

 

次にどのような状況か考えてみましょう。

「開けている」と「開けてある」の状況の違いはありますか。

「今の窓が開いている」という同じ状況にありますね。

 

では、何が違うのでしょうか。

この問題には話し手の気持ちが関わってきます。

このことを頭に置きながら、一つずつの例文を見直していきましょう。

 

 

 

「窓を開けている」

動作主(その動作をした人、ここでは窓を開けた人)を表すことができます。 

「私が窓を開けています

この一文で何か、感じましたか?

そうです、現在進行形の表現になります。

「他動詞+ている」の一つの用法です。

その他の用法として

・習慣  例「空気の入れ替えのために毎朝、窓を開けています

・過去完了  例「10月にインフルエンザの予防接種を受けています

 

「窓を開けている」は「人」に注目した表現であると言えます。

 

 

「窓が開けてある」

こちらはどうでしょうか。

動作主を表すと若干、おかしな文になります。

「私が窓を開けてあります」

 

「他動詞+てある」の用法としては結果の残存(窓が開いた状態が続いていること)と

完了があります。

「完了」は何らかの目的のためになされていることを表していて、行為の対象物(ここでは窓)に注目しています。

例「魚を焼いたので、窓を開けてあります」

 

また、一般的に「他動詞+てある」は動作主の意思が強く現れるといわれます

例「魚を焼いたので、窓を開けています

 「魚を焼いたので、窓を開けてあります

上記二つの文で話し手の気持ちはどのように違うでしょうか。

上記の言葉を言った時の気持ちを考えてみたら、いいかもしれませんね。

私だったら、

「魚を焼いたから、窓を開けています。(寒かったらしめてもいいけど)」

「魚を焼いたから、窓を開けてあります。(そのままにしておいて)」

 

さて、ここで課題文に戻ってみましょう。

「窓を開けている」と「窓が開けてある」の違いを説明しなさいというテーマでつまづいてます・・・。

 

 

お気付きですか?

「窓開けている」

「窓開けてある」

 

助詞が違っています。

この課題、なかなかややこしいです。笑

 

先ほども言ったように、「他動詞+てある」は動作の対象となるもの、ここでは「窓」に注目した表現です。

なので、「窓」が主語になれるんですね。

「私が窓を開けてある」の時に、動作主を入れるとおかしな文になるよと言いましたが、ここに理由があるからなんでしょうね。

 

 

 

ざっくりと私の解説をお送りしましたが、いかがでしたでしょうか。

少々専門的なところもありましたが、私自身、とても楽しく考えられました。

ふと院生時代を思い出しました。

 

この記事でわからないことがあったら、いつでもご質問くださいね。

 

 

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